2024年2月7日水曜日

人類の記憶力を衰えさせたのは文字!?

現代の対話篇〜

現代のテウト神ジョブズ「このスマホでなんでも学べます。中国の漢字だって、忘れていたら、すぐに検索できますよ。あなたが記憶するのに役立ちます。」


古代ギリシャ哲学者P「いやいや逆でしょ。むしろ、いつでも検索できるのだから、漢字を覚えなくても良いので、漢字を覚えなくなりますよね?」

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あなたは、何かを覚えておくためには書きとめておきなさいと言われたことがありますか?



実際、私も書いたり読んだりすることで、暗記して、受験や試験を乗り越えた覚えがありますし、そのように書かれた受験の本や速読や記憶術の本もありますよね。

あるいは、研修や会議の際に新人が言われたりします。

「ちゃんと覚えてる?覚えておくために、メモを取りなさい」と。


時代を遡ると、古代ギリシャの哲学者ソクラテスは何も書き残さなかったのに対し、その弟子プラトンはたくさんの著作を書き残しました。


 ところが、プラトンは逆のことを言っています。

書いたり、読んだりすることで記憶は逆に失われると。


パイドロスの中では、ソクラテスがエジプトにおける文字の発明について説明します。

発明の神テウト神が文字を発明し、ファラオに渡しこう言う。

「王よ、この文字というのを学べば、エジプト人の知恵は高まり、物覚えは良くなるでしょう。私の発見したのは、記憶と知恵の秘訣なのですから。」


すると、ファラオはこう答える。

「人々がこの文字というものを学ぶと、記憶力の訓練がなおざりにされるため、その人たちの魂の中には、忘れっぽい性質が植え付けられるだろう」

「彼らは書いたものを信頼して、ものを思い出すのに、自分以外のものに彫りつけられた印によって外から思い出すようになり、自分で自分の力によって内から思い出すことをしないようになる」


スマホができて、漢字が書けなくなる現象をこんな時代から予見していたとはw


ただ、私がそれを知ったのは、プラトンのパイドロスを取り上げた「プラトンのパルマケイアー」というデリダの論文を取り上げた石田英敬と東浩紀の論文記事でしたが。


つまり、

石田英敬の本で紹介されたデリダの論文で紹介されたプラトンの著作の中でソクラテスが紹介したテウト神とファラオとのやりとり。


で、文字に対して否定的なのにたくさんの文字を残すプラトンw

だからこそ、何も書かなかったソクラテスにそれを言わせると言う装置を設置したのかなw


蛇足ですが、ラカンの「エクリ」もそれが念頭にあって書かれることが億劫だったのかもしれませんねw


しかし、我々はもはや文字なしには生きることができないと言えるほど文字に囲まれて生活している。


そこで、


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