2011年7月20日水曜日

雨矢

急に空が暗くなった
「おやっ」とみあげたが
それが最期
次の瞬間から全身に
容赦なく降り注ぐ矢の雨
刺さる
刺さる
身に刺さる
身を守るものもないのだ
英雄はそうして今日も行く
 
そして
 
今日も雨
強く地に刺さりつづける雨
刺さる
刺さる
身に刺さる
今日も傘を持っていないのだ
おれもそろそろ行こうかな
 
やがていつかは矢を放つ
狂っていたようなその空も
勝利に酔って高らかに
自慢の弓を見せるだろう
自信にほほえみ膨らませ
高く掲げる7色の弓
 
そのときこそが逆襲のとき
ひるんではならない
 
見よ、その空に
その空の王、光り輝く
偉大なる天体が笑う
今こそこちらが矢を放つとき
放てば、天体にも穴があく
そうして次第に天体は空の頂点からつべり落ち
いやはやとうとう夜が来る
 
われわれの祝祭のとき、来たるべし
太陽を盛大に弔ってやろう