2020年5月15日金曜日

SFとファンタジーの違いは何か?

「かぐや姫」はSFなのかファンタジーなのかよくわからなくなったことはないだろうか?

二つの違いを考えてみよう。

ファンタジーの意味は、幻想のこと。幻想小説。

SFとは、サイエンスフィクション、科学小説のこと。

幻想的な科学や科学的な幻想はありうる。
その意味では、ファンタジーはSFでありうるし、SFはファンタジーでありうる。

しかし、ファンタジーの方がSFよりも古い。SFが発達するためには、科学の未来への期待がなければならない。蒸気機関などの発達により、人々が科学に夢を見るようになるまで。

しかし、科学は、科学はその先に宇宙を夢見た。

ファンタジーは、日本で幻想小説として輸入されたポーなどをもとに、江戸川乱歩などによってジャンル付けられた。それはオカルトや一見して奇妙な事件などを含んでいる。しかし、その後、主にディズニーによって別の夢と愛と希望に溢れる子供の世界という意味でのファンタジーというジャンルもできた。

SFに関しては、
スターウォーズ系とブレードランナー系がある。それぞれ重心が違う。
スターウォーズとは、宇宙物語としてのスペースオペラとも言われるが、内容は実は古い。遠い昔、騎士が魔法と剣を使い、悪を倒し姫を助けるからだ。舞台が宇宙や宇宙的な空間になっただけのファンタジーであるとも言えるが、宇宙への夢のもとに生まれるため、SFと言ってもいい。
ブレードランナーは、近未来、科学の発達により、哲学的な問題が発生するというところに比重がある。(アシモフやディックはこの系統だろう。)
つまり、SFには二つの要素があるのだ。一つはScience fiction、もう一つはspace fantasy。Space fantasyは想像力を基盤として形成される。それはエンターテイメント的な要素がとても強い。一方でScience fictionは科学的な空想を主眼に置く。
しかし、星新一を読むとわかるように、SFばかりでなく、オカルトなども扱っていることがある。
SF作家も、幻想小説作家も、区別がつかないことも多い。
フランケンシュタインは幻想小説でもSF小説でもある。
かぐや姫もまた、宇宙からやってきた異星人という点ではSF小説と言えなくもないのであろう。


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