2024年5月12日日曜日

人生は短いの??長いの?


 人生は長いのだろうか?それとも短いのだろうか?


詩人ハイネは得意の皮肉でこう言う


人間よ、悪魔を嘲るなよ

短いものは人生だ

永劫の罰というのは

夢愚かな迷信じゃないぜ

人間よ、借金を払っておけよ

長いものは人生だ

すでに度々の経験だが

今後も借金は免れないぜ

「帰郷」


しかし、人生には長いも短いもない。

何かと比較して長い人生や短い人生があるだけで。

巻尺は長いのか?短いのか?と聞かれて、何と比べて7日、その巻尺は何メートルの巻尺なのかすら知らずに答えられるのだろうか?

人生は長い、人生は短い

と言うときは何との比較なのだろうか。

例えば、80年生きた男がいる。

彼が末期に「人生は短かった」とひとりごつ時、それは何を意味しているのだろうか?

それは客観的な時間80年と人生として生きたこの80年とを比べて言っているのだろう。

普段、熱中していた2時間をいつもの2時間と比べて短いと感じるのと同じである。

しかし、客観的時間もまた主観で測るしかない。それも、熱中していない時間を気にしている時の時間を基準としている。

つまり、人生80年が短いとは、普段時間を気にしている時の時間感覚を延長したものとして80年の空想と人生として生きたこの80年とを比べて「短い」と言っているのだとわかる。

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