2020年6月27日土曜日

私が詩を書いた

詩を


詩を
創ろうとしてるとき、未だ詩ではなく

詩を
探そうとしてるとき、未だ詩ではなく

詩がそこに在るときに、ぴったりな言の葉をようやく見つけるような

そんな感触がするかもしれない




〈最近の冠騒動に関する詩〉

マスク2

2つのマスクを君に渡そう

ひとつめは言葉を出させないため、つまり、黙らせるため

もうひとつは何も食べさせないため、つまり、死なせるため

2つのマスクを寄付しよう

この2つのマスク
この国に



春風

狼に狙われた三匹の子豚のうちで、生き残れるのはどの豚なのか?
風に吹き飛ばされない壁を作れる豚だけではないのか?

今年の春の風はあまりに強かった。

ライブハウスは吹き飛ばされた。
劇場も吹き飛ばされた。
飲食店も吹き飛ばされた。
楽しみは吹き飛ばされた。
人々はうちに籠り、
あるコメディアンに泣き、
別のコメディアンに怒り、
政治家や官僚に呆れ、笑った

そして、風のなかを出かける人を非難した。

狼に狙われた三匹の子豚のうちで、生き残れるのはどの豚なのか?
風に吹き飛ばされない壁を作れる豚だけではないのか?





私はタンポポ、あなたは蘭


私はタンポポ雑草育ち
生命強く逞しい
けれど、凡庸、どこにでもあるの
それだから、ちょっと羨ましい

私は蘭なの温室育ち
優しく高貴で美しい
けれど、大切にされていないと
あっという間に枯れてしまう
それだから、ちょっと羨ましい




巨塔の酔い歌

ひとつ、巨頭に這ってる白髪がふたつ
ふたつ、巨人の居ぬ間に行われる密通
みっつ、虚無で孤独を肴に酔っちゅう
よっつ、きょとんとして、今日はいったいいつ?
いつつ、巨塔の廻廊で出会うは皆、むっつり
むっつ、拒否する異邦人と噛み合わないが、今は真夏
ななつ、巨塔で使われる言語はだが、ただひとつ



不透明な未来

不透明な未来
感覚のおかしな味蕾
でも、食わず嫌い
してないで、仕掛けようぜ機雷
不確かな将来
に招聘
するサンライズ
まだ見ぬ明日
を拝むright(権利)
希望のlight
(lighter)ライターは持ってないが
君は未来のライター(writer)
泣いたー
あの日々も
咲いたー
あの花も
吐いたー
腹の調子も
大胆な時代に来る俺たちは明日を待たない
洗濯してやろうぜハイターで
でも、なかなか乾かない
だから、今は静かに雨やみを待つのみ
あめあめ、ひえびえの中でさめざめ
あめあめ、ひえびえの中でさめざめ
静かに雨やみを待つ武士がひとり
静かに雨やみを待つ姫がひとり

気持ちの空きに通る隙間風
透き通る風景
その隙に、スキル磨いて、スキンもケアして、雨やみを待つ


お腹は空いてない
気持ちが空いた
気持ちの空きをお腹で満たそうとしたら、
いくら食べても食べ足りない。
それが、気持ちの好き。
気持ちの空きを満たせるのは愛だけ。
気持ちの好きを満たせるのは逢いだけ。




Monstrous 

あや~!
美しく憂鬱な姫

何かを感じる 前兆に絶叫

気をつけろと、警報が残響

ここは怪しいやつがいる土地(Terra)

そいつに照らされる俺は恐怖(terror)

それはなんなのかわからないから、怪物と名付け驚愕

だが、モンストラスも、理性の光に照らせば、遺伝子異常か、環境要因か
脱怪物化(デ・モンストラウス)

ただの見世物さ

いまじゃ、そいつらは保健所か病院。
殺処分か入院。

そこでまた聞く悲鳴

あや~







200字溢れる言葉のディスコ

踊る踊る甘い作品が踊る
私に詩が訪れた時には
すでに門は閉まっていた。

後の祭りか
静寂の中で1人踊ろう
もはや競争はないので俺が一番だ
孤独な平和
さようなら
おやすみ
ありがとう
誰に言っているのか
これを読んでくれている君に
これを読んでくれる君などいないのに
私にとってはいないのだ
詩は一方的な手紙だ
返事はなく
完結する
...
...
...
完結した?
いや、してない。
でも語ることもない
募集も終わっている
この言葉は捨てられるだけ
ただの空語
200字すら埋められることは

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