加島祥造訳
あれは嵐の吹き荒れる夜のことだった。それも真夜中だ。悲しさにぐったりした気持でもう世に忘れられた古い怪奇な物語を読んでいた。ふと、うとうと睡りはじめた。と、とつぜんこつ、こつ、こつ、まるで誰かがドアをそっと叩くような音。「誰かが訪ねてきてドアをノックしているんだ」とぼくは呟いた。「ただそれだけだ、なあんでもないのさ」
「もし活動としての哲学が、考えること自体に対して考えるという批判的作業でないとするなら、今日、哲学とはいったい何であろうか? 別の仕方で考えるということが、いかに、どこまで可能なのかと知る試みに哲学が存立していないとするなら、哲学とはいったい何であろうか?」 ミシェル・フーコー『性の歴史Ⅱ―快楽の活用(原著14-15頁)』
Niander Wallace |