断片0
布や糸、繊維によって作品が作られる展示「糸布=if展」。
イフと読む。
ならば、これは仮定(=if)だが、「畏怖」も含意しているとしたらどうだろうか?ー
断片1
布とはなんだろうか?
布にも心があるだろうか?
「心」の「布」と書いて「怖」という漢字ができる。
ならばあるいは、人は、心の布から逃れて、一糸まとわぬ姿で自由を求めているのかもしれない。
断片2
天使が堕ちると堕天使、すなわち悪魔になるらしい。
が、天地をひっくり返したら、どうなるだろうか?
“The devil’s don’t come from hell, beneath us. No…They come from the sky.” Lex Luther
「悪魔たちは我々の下、つまり地獄からはやってこない。それは違う。空からやってくるのだ。」
断片3
「ところで、何を書きかけていたのだっけ。最後の書きかけは、たぶん「浮」の字の左半分だ。「箱男は浮浪者とは違う」とでも書くつもりだったのだろう。もっとも世間の方では箱男が思っているほど、はっきり区別をつけてはいないようだ。たしかに共通点も少なくはない。たとえば身分証明書を持たないこと、職業に就かないこと、一定の住所を持たず、名前や年齢……」
「それはそうだろう。存在しないも同様の箱男なのだから、いくら殺したって、殺したことにはならないのだ」『箱男』
断片4
天国と地獄
悪魔にとっては天国は神に支配される地獄で、地獄は自分たち自身よって統べる天国、なのかもしれない。悪魔たちを生き生きと描くミルトンの「失楽園」はそれを思わせる。
断片5
こうもり傘はどこまでこうもりに似ているだろうか。
断片6
背後に隠れたあの赤い帽子の意味に気がつくだろうか?
断片7
unbound. 解放
古代ギリシャ悲劇詩人アイスキュロスによるプロメテウス三部作
火を運ぶプロメテウス
縛られたプロメテウス
そして、„Prometheus unbound“「解放されたプロメテウス」
転落なのか、解放なのか、転落こそが解放なのか。
断片8
箱は、創造の種かもしれない。
箱は、記憶を入れておくものかもしれない。忘れられた箱はその口を閉じられてしまう。
箱は、自分だけの小宇宙かもしれない。
箱は、誰かからのお届けものかもしれない。
箱は、秘密を詰めておくものなのかもしれない。
箱は、中身を想像させる物体…
あなたは、これらの箱に何が詰められていると思うだろうか?
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