2023年1月24日火曜日

言の葉


 言の葉

言の葉、言の風、言の雨

言の陽光のシャワーを浴びて

言の霊を感じとる

私の中へと吸い込まれていた言霊達は

私がもともと持っていたものと混じりあい

私の精神となって身体を巡って

フルに私の言葉となって発話され

精神の変容

そしてまた新たな言の葉が生まれていく

午後のカフェ


書の葉、書の森、書の墓場

生み出された言の葉を紙の上に書き留めるなら、

今度は書の葉として、もう一つの変容を遂げる

書は時を得る

言の風(語り草)なら、いつの間にやら、生えたり消えたり

変質するが、書は違う。

書は時を得たから、

書は読まれ解釈され媒介者としてそこに生きる。

否、死者としてそこにある。

[書は話の墓場である。

読み手は息によってそこに眠るその死者を

甦らせる。

書に宿された死者達の言霊が聴こえるか?

眠る日の出前の図書館

そして、最期には祈りのみ


想の道、想の雲、知の光

言の葉の海から私のうちで

綴られる言葉が数珠つなぎ

言の葉の海に秩序(cosmos)を与える理性.

言の葉の海に意味を与える知性

言の葉の海に図像(image)を与える想像力(imagination)

言の葉の海に深み(sense)を与える感性

言の葉の海に神鳴(Metamorphose)を与える霊感inspiration

cogito ergo sum

紡がれる言葉が自らの精神を形造る

まるで呪文のようにそれは精神に作用する

theoria, a poria, epoche

巡るめく思考は袋小路へ

ざわめく 沈黙、沈黙、沈黙

そして、最期には祈りのみ

静なる真夜中の寺院

安部火韻 (〜2016年ごろ)

0 件のコメント:

コメントを投稿