言の葉
言の葉、言の風、言の雨
言の陽光のシャワーを浴びて
言の霊を感じとる
私の中へと吸い込まれていた言霊達は
私がもともと持っていたものと混じりあい
私の精神となって身体を巡って
フルに私の言葉となって発話され
精神の変容
そしてまた新たな言の葉が生まれていく
午後のカフェ
書の葉、書の森、書の墓場
生み出された言の葉を紙の上に書き留めるなら、
今度は書の葉として、もう一つの変容を遂げる
書は時を得る
言の風(語り草)なら、いつの間にやら、生えたり消えたり
変質するが、書は違う。
書は時を得たから、
書は読まれ解釈され媒介者としてそこに生きる。
否、死者としてそこにある。
[書は話の墓場である。
読み手は息によってそこに眠るその死者を
甦らせる。
書に宿された死者達の言霊が聴こえるか?
眠る日の出前の図書館
そして、最期には祈りのみ
想の道、想の雲、知の光
言の葉の海から私のうちで
綴られる言葉が数珠つなぎ
言の葉の海に秩序(cosmos)を与える理性.
言の葉の海に意味を与える知性
言の葉の海に図像(image)を与える想像力(imagination)
言の葉の海に深み(sense)を与える感性
言の葉の海に神鳴(Metamorphose)を与える霊感inspiration
cogito ergo sum
紡がれる言葉が自らの精神を形造る
まるで呪文のようにそれは精神に作用する
theoria, a poria, epoche
巡るめく思考は袋小路へ
ざわめく 沈黙、沈黙、沈黙
そして、最期には祈りのみ
静なる真夜中の寺院
安部火韻 (〜2016年ごろ)
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