「有名になりたい、歴史に名を留めたい」男なら皆、そのような夢を持ったことがあるかもしれない。
かのユリウスカエサルは、30歳にして、アレキサンドロス大王の像の前で跪いて「アレキサンドロス大王が世界を征服したのと同じ歳にして、自分がまだ無名でいることを悔しみ、涙していたそうだ。
私自身、もう30に近づいている。私もまた、アレキサンドロス大王の前で涙するのだろうか。
しかし、カエサル、彼は最期にはアレキサンドロス大王よりも名を留めた。カイザー、すなわち皇帝、その名を普通名詞として留めてしまったのだ。
私はこの男の当時の悔しさをバネにする力を見習いたい。
では私は何になりたいのか?
正直なところ未だ定まってはいない。
「自分はといえば,ローマ人の間で第2位を占めるよりは,むしろここの人たちの間での第一人者となりたい。」(プルタルコス『カエサル』11)
と答えたという。また,同じ箇所にスペインのガディスでの逸話が語られている。従者とともにヘラクレス寺院のアレクサンドロス像の見物にやって来たカエサルは,突然その場で涙を流して泣き始めた。驚いた従者が訳を問いただしてみると,同じ年頃のアレクサンドロス大王(30歳)は既に世界を征服していたのに,自分はまだ何も特別なことをしていない,チャンスさえあれば・・・と嘆いたという。(スウェトニウス『神に祀られたユーリウス』7にも同様の逸話)また,プルタルコスはカエサルの遠大な「世界征服」の計画を伝えており,(プルタルコス『カエサル』58,また,スウェトニウス『神に祀られたユーリウス』35はエジプト,同44はダキア(ルーマニア)征服計画について触れている。)彼が「王位」を目指したと断言している。(プルタルコス『カエサル』60)こうしてみてくると,「ローマ帝 国」形成の野心は決してカエサルの胸の中にだけあったのではなさそうである。(注15)
年齢と成功に関して
「ゴージャンは35歳で株の仲買人を辞めて画家を目指したけど、モネの初個展は39歳、ルノワールの初個展は42歳、ルソーは49歳で税関吏から脱サラ、セザンスの初個展は、56歳。なりたかった自分になるのに遅すぎるということは
ないようです。」
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