2024年12月4日水曜日

Unbound 〜箱天使はなぜ転落するのか?〜

断片0

布や糸、繊維によって作品が作られる展示「糸布=if展」。

イフと読む。

ならば、これは仮定(=if)だが、「畏怖」も含意しているとしたらどうだろうか?ー


断片1 

布とはなんだろうか?

布にも心があるだろうか?

「心」の「布」と書いて「怖」という漢字ができる。

ならばあるいは、人は、心の布から逃れて、一糸まとわぬ姿で自由を求めているのかもしれない。


断片2

天使が堕ちると堕天使、すなわち悪魔になるらしい。

が、天地をひっくり返したら、どうなるだろうか?

“The devil’s don’t come from hell, beneath us. No…They come from the sky.” Lex Luther

「悪魔たちは我々の下、つまり地獄からはやってこない。それは違う。空からやってくるのだ。」


断片3

「ところで、何を書きかけていたのだっけ。最後の書きかけは、たぶん「浮」の字の左半分だ。「箱男は浮浪者とは違う」とでも書くつもりだったのだろう。もっとも世間の方では箱男が思っているほど、はっきり区別をつけてはいないようだ。たしかに共通点も少なくはない。たとえば身分証明書を持たないこと、職業に就かないこと、一定の住所を持たず、名前や年齢……」

「それはそうだろう。存在しないも同様の箱男なのだから、いくら殺したって、殺したことにはならないのだ」『箱男』


断片4

天国と地獄

悪魔にとっては天国は神に支配される地獄で、地獄は自分たち自身よって統べる天国、なのかもしれない。悪魔たちを生き生きと描くミルトンの「失楽園」はそれを思わせる。


断片5

こうもり傘はどこまでこうもりに似ているだろうか。


断片6

背後に隠れたあの赤い帽子の意味に気がつくだろうか?


断片7

unbound. 解放

古代ギリシャ悲劇詩人アイスキュロスによるプロメテウス三部作

火を運ぶプロメテウス

縛られたプロメテウス

そして、„Prometheus unbound“「解放されたプロメテウス」

転落なのか、解放なのか、転落こそが解放なのか。


断片8

箱は、創造の種かもしれない。

箱は、記憶を入れておくものかもしれない。忘れられた箱はその口を閉じられてしまう。

箱は、自分だけの小宇宙かもしれない。

箱は、誰かからのお届けものかもしれない。

箱は、秘密を詰めておくものなのかもしれない。

箱は、中身を想像させる物体…

あなたは、これらの箱に何が詰められていると思うだろうか?


映画と悪影響(メモ)

 ジョーカーと事件

ちょっとした系譜がありますね。


1962小説「時計仕掛けのオレンジ」(バージェス)


1971 映画「時計仕掛けのオレンジ」(キューブリック監督)


1971 大統領候補のアラバマ州知事暗殺未遂事件

(事件を起こしたアーサーブレマーは時計仕掛けのオレンジに影響されたと日記に書いている。)


1976 映画「タクシードライバー」(アーサーブレマーの日記に着想を得て作られた映画)


1981 レーガン大統領暗殺未遂事件(タクシードライバーに影響を受けたヒンクリーがタクシードライバーのヒロインのストーカーをした後に、レーガン大統領暗殺未遂事件起こす。)


2019 映画「ジョーカー」(スコセッシとデニーロの映画タクシードライバーとキングオブコメディに多大な影響を受けて作られた映画)


2021 日本では、京王線刺傷事件が起きたが。アメリカはどうか??


ダークナイト三部作は事件につながってますね。


ジョーカーに影響を受けた事件のなかでも特に有名なのが、「オーロラ銃乱射事件」。犯人のジェームズ・ホームズは2012年7月20日、コロラド州のオーロラにあるショッピングモールの映画館で映画『ダークナイト:ライジング』の上映中に銃乱射をしました。


ガスマスクをつけたジェームズ・ホームズは劇場の先頭に立って催涙弾と銃を乱射。結果的に12人が犠牲になり、58人の負傷者が出ています。警察の取り調べに対し、自分をジョーカーだと名乗ったジェームズ・ホームズ。


劇場だけでなく自分の住んでいるアパートにも爆発物を仕掛けており、当時相当パニックになった模様です。ジェームズ・ホームズはこの事件を受けて死刑を求刑されましたが、3,318年の拘禁刑判決を受けています。


ジョーカーにまつわる事件のなかで断トツで有名です。ちなみにこの事件を受けて、2019年映画『ジョーカー』は現場になった映画館で上映されませんでした。