2021年1月17日日曜日

「めんどくさい」と「退屈」という罠あるいは卓越した技術

この世界は本当に「めんどくさい」、そして本当に「退屈」だ。

そんな感覚に陥ったことはありますか?

 「めんどくさい」と「退屈」という同じようで相反するような感情がある。



動くのめんどくさいでも、動かないのは退屈。


ここに資本主義で成功している人たちが我々をひっかけようとする罠がある。

逆に使う側になれば、すばらしい。技術と呼ぼう。

経済学における需要と供給の関係のように
めんどい曲線と退屈曲線みたいなものを考える。
そして、双方のちょうど交差する点に世界的に流行るSNS系統(youtube twitter tiktok instagram)やゲーム機器(特に最近は片手でできるゲームアプリなど)があって、人間はちょうどよくそこに落ち込むようにできている。
カップ麺やコンビニも同じ。

人間はこの長い歴史を通して「めんどくさい」ことを排除しようとしてきた、コンビニのような、つまり、便利なものというのはそういうことだ。

食器洗いがめんどくさいから食洗器ができ、洗濯がめんどくさいから、洗濯機が開発され、掃除がめんどくさいからルンバができ、筋トレがめんどくさいから、プロテインなど錠剤を飲み、、、

そうして、指でフリックするだけで、なんでも操作できるようになった。

スティーブジョブズが売れたのはそういうことだ。パソコンオタクのウォズニアックが「コンピュータなんてこんなオタクしかやらないめんどくさいもの誰が買うんだ?」というのに対し、ジョブズはそれを使うとき、めんどくさく感じさせない方法を考えた、その先にマウスの開発やアイパッドなどがある。

例えば、このブログを読みやすく平易だけど興味を引き、かつ手っ取り早く情報を得られる言葉を用いるというのも同じようなものだ。

その意味では、人にブログを読まれたければ、私もそれをもっと駆使しなければならないんだろう。

動くのめんどくさいでも、動かないのは退屈。
だから、テレビなんてものが開発されたのだ。
だけど、テレビはあまりにこちらが動かないために比較的退屈だったのかもしれない。
主体的に指をフリックして選択しているように思えるために、退屈を感じなくさせるスマホが取って代わったのだろう。
逆にテレビゲームは、いろいろと準備したり、技術を磨いたりなどする必要も多少はあるため、もっとめんどくさくないものが求められた。
だから、かのマリオパーティーが最初だったのかそれはわからないがボタンたったひとつだけしか使わない本当に誰でもできるゲームが求められた。
その先にスマホのアプリがあるのだろう。

しかし、便利になればなるほど、退屈やめんどくささが増えていっているような気もしている。
どうなんだろうか?わからない。

ひょっとすると、暇つぶししやすい道具と情報があまりにも溢れているそれらに我々の精神が沈んで、そこから浮き上がることができないのではないだろうか?

だから、こんなにも息苦しいのかもしれない?

だから、こんなにも反動的な歪んだ元気(カラ元気)しかでないのかもしれない?

私だけかもしれないが。

そうして、逆に不自由で原始的な生活を求める人も現れるのだろう。


また、一方で人間関係に関してはまた話が違うかもしれない。めんどくささと退屈、いや、人間関係の場合はめんどくささと孤独感と言うのだろう。

パスカルは「人間の不幸などというものは、どれも人間が部屋にじっとしていられないがために起こる。部屋でじっとしていればいいのに、そうできない。そのためにわざわざ自分で不幸を招いている。」と「パンセ」の中で述べている。

そうして、ラース・スヴェンセンの「退屈の小さな哲学」國分功一郎「暇と退屈の倫理学」ではもっと言及されているので、興味があればお読みください。退屈を紛らわせることができます。

などなどと考えるが、
こんなこと書いてる場合じゃない。やるべきことやらなきゃな。これを読んでるおまえもホントがんばれよ。

こうした読み物を読むこともまた退屈しのぎに過ぎないかもしれないのだから。

いや、人生すべてが退屈しのぎと思えば、よいか。

そうではなく、自分が本当に望む退屈しのぎができているかが問題なのだろう。

あなたが望むものは何か?


そして、関係はないが、
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